経済学を疑え!

お金とは一体何なのか?学校で教えられる経済学にウソは無いのか?真実をとことん追求するブログです。

対話

羊たちの国

「メアリー……」 「どうしたのよ、ヤン。青白い顔して」 「俺、見ちまったんだ」 「何を?」 「俺たちの仲間の羊がな、ビルの奴に連れて行かれてよ……」 「ああ、羊飼いのビルさんね。別に珍しいことでもないじゃない。毛でも刈られたんでしょ」 「うん、俺も…

「陰謀論」と言ってはいけない

人間は一人では思考できない 人間は、一人だけでは思考することが出来ません。 こう言うと、「は?一人でも考えることはできるじゃないか」と思いますよね。 どういうことか説明しましょう。 天才的な頭脳を持ったある男女から子供が生まれたとします。 この…

なぜ銀行が貸すとマネーストックが増えるのか?

お金は増えないが、マネーストックは増える 「前回は、お金は増えないという話をしたよね」 「そうね。銀行がお金を貸しても、経済全体では増えないんでしょ」 「その通り。でも、銀行がお金を貸すとマネーストックは増えるんだ」 「は?マネーストックって…

お金に関する誤解を解くシンプルな方法

お金に関する誤解 「お金に関して、人々は誤解をしていることが多い」 「唐突ね。どんな誤解?」 「シンプルに言えば、お金は増えるという誤解だ」 「いやいや、増えるでしょ」 「どんな時に増えると思う?」 「働いて給料をもらったら増えるし」 「マイの持…

転生パラダイス 第3話(完結)

whatsmoney.hateblo.jp whatsmoney.hateblo.jp お店様は神様です 「美味しかったです。ごちそうさまでした」 サンタ爺と僕は、カウンターの向こうに居るご主人にもお礼を言って食堂を出た。 (タダで食べさせてもらって、お礼を言わずに店を出るわけにいかな…

転生パラダイス 第2話

whatsmoney.hateblo.jp ご飯を食べる 服を着て公園に戻ると、サンタ爺はベンチで休憩していた。 「おお、戻ったか」 「はい。お世話になりました」 「何か思い出したかね」 「いえ……。お金のある国に居たってことぐらいですね」 「そうかね。それにしては日…

転生したらお金の無いパラダイスみたいな国だった件

裸の自分 「お前のような無価値な人間は死んだ方がいいな。死んでくれよ」 度重なる上司のパワハラにギリギリ耐えていた僕は、この言葉で完全に心を殺されてしまった。 電車に飛び込んだのは三日後だったと思う。 目が覚めると、僕は小さな公園の砂場に裸で…

もしも所有が無かったら

私たちは所有の本質を知らない 「今回は、所有というものが無かったらどうなるのか、ということを考えてみよう」 「ふーん。なんで?」 「所有とは何かを考えるためだよ」 「いやいや、所有なんて知ってるし」 「ほんとに知ってるって言えるのかな。私たちが…

ロックによる所有権の正当化を批判しよう

出発点 ジョン・ロックさん。 ロックさんは所有権というものを正当化していますが、それについてちょっとお聞きしたいことがあるんです。*1 どんなロジックで所有権を正当化しているのか、改めて説明してもらえますか? 人間は神から、世界を人間の共有物と…

土地私有の不当性を公園で考える

「今回は、土地を私有することの不当性についてもう一度考えてみよう」 「もう一度って?前にもやったっけ?」 「『地代の正当性を疑う』というタイトルで話しただろう」 「そうだっけ。どんな話だった?」 whatsmoney.hateblo.jp 「おおまかに2つの話をし…

モノポリーで考えるお金と経済の本質

モノポリーというゲーム 「モノポリーというゲームを知っていますか?」 「聞いたことはあるけど、やったことは無いな」 「数人でプレイするボードゲームなんですが、資本主義社会のルールを学ぶことが出来るゲームなんですよ」 「へぇ。どんなゲーム?」 「…

植松被告人との対話④ 政府の借金とは何か

「まず、前回までのおさらいをしよう」 whatsmoney.hateblo.jp 経済とは、共同体のメンバーそれぞれが生産したモノやサービスを生産物プールに投げ入れ、それを皆で受け取り、それぞれが消費するということ。 生産物で見る限り、毎年の経済はちゃんと帳尻が…

植松被告人との対話③ 借金とは何か

「今回は、借金とは何かという話をするよ」 「はい」 「お金は麻雀の点棒に似ているという話は分かってくれたかな」 「分かったような気がします」 「前回言ったように、各自がノートを持って、生産物プールに生産物を投げ入れたら数字をプラス、プールから…

植松被告人との対話② お金とは何か

whatsmoney.hateblo.jp 「さて、お金とは何かという話をしよう」 「はい」 「ときに植松君は、麻雀というゲームを知っているかな」 「マージャンですか。やったことはありませんが、なんとなくは」 「136枚の牌(パイ)を使って4人でやるゲームで、最初に手を…

植松被告人との対話① 経済とは何か

「意思疎通のとれない方々は安楽死させるべきだと思います」*1 「……。なぜ、そう思うの?」 「意思疎通のとれない方々は様々な不幸の源になっているからです」 「ふむ。何がどう、不幸の源になっているのかな」 「簡単に言いますと、人に迷惑をかけ、物資や…

所有と人権は対立している

持つ者、持たざる者 「今回は、持つ者と持たざる者について考えるよ」 「どういうこと?」 「所有の概念があると、人間は持つ者と持たざる者の2つに分けられる」 「ふーん。持つとか持たないとかって、具体的には何を?」 「一番分かりやすいのは、土地だね…

所有は暴力によって機能する

なぜ所有のルールに従うのか 「今回は、前々回に立てた『所有はなぜ機能するのか』という問いについて考えよう」 「所有はなぜ機能するのかって?うーん。そもそも、その問いの意味がよく分からないんだけど……」 「所有のルールでは、他の人が所有しているモ…

人生とかいうクソゲーのルール『所有』

「前回、所有は人間の頭の中にある、人間と人間の間の取り決めに過ぎないって話したと思うけど」 「そうだったわね」 「もっと分かりやすい説明を思いついたよ。所有というのは、ゲームのルールなんだ」 「ほう……?」 「僕たちはみんな、この世界でゲームを…

所有はアタマの中にある

所有は客観的事実ではない 「今回は、所有について考えるよ」 「所有……前にも所有について考えたような」 「そうだね。もう少し深く考えてみよう」 「別にいいけど」 「僕が最近読んだ本では、所有についてこんな風に書かれていたよ。『所有は全部、マボロシ…

生産せよ、さもなくば搾取せよ

《前回のあらすじ》 機械に仕事を奪われたA太は、再就職もできず起業もうまくいかなかった。 どうすればいい? whatsmoney.hateblo.jp 「仕事につけない、自分で起業もできない。そういう状況になったらマイはどうする?」 「んー、生活保護をもらうとか」 …

技術的失業を考える

「今回は、技術的失業について考えるよ」 「ふーん。技術的失業ってなに?」 「ロボットやAIの技術が発達すると、人間の代わりにロボットやAIが仕事をするようになるよね*1」 「そうね」 「そうすると、その仕事をしていた人間は失業してしまう。これが技術…

百年後のミルクを現代に持ってこれるのか

「今回は、百年後のミルクを現代に持ってくることは出来るのかという話をしよう」 「は?意味わかんないんだけど」 「今から百年後、西暦2118年の世界にVさんという人がいるとする」 「うん」 「このVさんの手元にあるミルクをひったくって、現代に生きてい…

水道ビジネスで儲ける方法

なぜ水なのか 「今回は、水ビジネスで儲ける方法を説明しよう」 「ふむ。なんで水なの?」 「水は、人間が生きるために必ず必要な資源だからね。水のような資源の権利を押さえてしまえば、その使用料を取ることで搾取ができる」 「ふーん。生きるために必要…

所有とは何か

(今回の記事は前回の続きですので、まずこちらの記事から読んでいただくことをオススメします) whatsmoney.hateblo.jp 自然権の衝突 「さて、自然権の話だったね」 「うん」 「自然権って何のことだったか覚えてる?」 「うーん……。たしか2つあったよね。…

自然権を考える

はじめに 「今回は、自然権について考えよう」 「ふーん。自然権ってなに?」 「自然状態の人間が、生まれながらにして持っている権利のことだよ」 「ふーん。自然状態ってなに?」 「政府とか法律とかが出来る前の状態、ってことだね。要するに自然権という…

人間は生きるのが難しい

「もし、生まれ変わりというものがあるとしたら、マイは次もまた人間として生まれたい?」 「うーん。選べるんだったら、飼い猫になりたいかな」 「ほう。人間はもうイヤ?」 「人間も悪くはないと思うけど⋯⋯。働きたくないし」 「なるほど。飼い猫なら働か…

土地のレンタル料=地代の正当性を疑う

地代は搾取なのか 「前回、遊んで暮らすためには搾取をするしかないって話をしたけど」 「うん」 「土地をたくさん持ってる人、つまり地主って、遊んで暮らせるよね」 「そうね。土地を貸して賃料を定期的に受け取れるもんね。土地をたくさん持ってれば遊ん…

遊んで暮らしたい人が学ぶべき搾取の原理

遊んで暮らす=搾取して暮らす 「マイは、遊んで暮らせるようになりたい?」 「もちろんよ。誰だってそうでしょ」 「そうかもねぇ。どうすれば遊んで暮らせると思う?」 「お金がたくさんあればいいでしょ」 「そうだね。どれぐらいのお金があればいいだろう…

アーリーリタイアした八さんと奴隷になった熊さん

「今回は、前回のたとえ話の続きを考えてみよう」 「たとえ話って、熊さん八さんの?」 「そうそう。おさらいをしてみると…… 熊さん、八さんの二人だけが無人島で暮らしている 熊さんと八さんはお金を10カイずつ持っている 熊さんは一日に4匹の魚を捕り、う…

金利の正当性を疑う

「今回は、お金を貸して金利を取ることの正当性について考えよう」 「ふーん。なんで? お金を借りたら、利子をつけて返すのが当たり前じゃない」 「うーん、そうだよねぇ。でも、イスラム教なんかでは利子を取ることは禁止されてるよね」 「たしかに、そん…