「マイは子供の頃、将来何になりたいと思ってた?」 「うーん。小学生の頃は、看護婦さんになりたかったわね」 「へぇ。どうして?」 「病気で入院してた時、きれいな看護婦さんに優しくしてもらって、あんな人になりたいなって思ったのよ」 「そうなんだ。…
「ねぇ」 「なに?」 「この前、金融機関が政府にお金を貸すとマネーストックが増えるって言ってたでしょ」 「言ったね」 「他にはどういう時に増えるの?」 「そうだねぇ。マネーストック*1がどんな時に増えて、どんな時に減るのかというのは、難しそうに思…
「ねえねえ」「なに?」「この前ツイッター見てたら、公共事業がマネーストックを増やすかどうかで言い争ってる人たちがいたんだけど」「へぇ」「実際、どうなの?」「そうだねぇ……。マネーストックというのは我々が使えるお金の総額のことだけど、何がお金…
黒田日銀による量的・質的金融緩和、いわゆる異次元緩和によって何が起きたのでしょうか。 実際のデータから検証してみたいと思います。 異次元緩和でやりたかったことは以下の3つです。 企業や個人の資金需要を喚起しする 銀行からの貸し出しを増やす イン…
「前回は、金利があると借金をした人全員が元金と金利を返すことは不可能だという話をしたよね」 「うん。でも、貸付額をどんどん増やしていけば全員が返せるように出来るんじゃない?」 「そうかも知れないね。どれぐらい増やしていこうか」 「最初の年が10…
「今回は、借金をした人がみんな元金と金利を返せるのかを考えよう」 「そりゃ、商売に成功した人は返せるし、失敗した人は返せないでしょ」 「まぁそうだね。じゃあ、もしみんなが商売の天才だったら全員が返せるのかな」 「うーむ……。前回の話じゃあ、金利…
「今回は、お金についての良くある誤解について考えよう」 「誤解ってどんな?」 「人や企業がモノを作るとお金が増えるという誤解だ」 「えっ?モノを作って、かかった原価に利益を乗せて売ればお金が増えるじゃない」 「ミクロではその通りだけど、マクロ…
「今回は、一生遊んで暮らす方法を教えよう」 「えっ、知りたい!どうすればいいの?」 「まず、お金というものが無くて、物々交換をやっている村を見つける」 「えー……前提が無茶すぎるわよ。だいたい、物々交換をやってた社会なんて無かったって聞いたけど…
今回の記事は、Heske van Doornen という人の書いた The History of Money: Not What You Think というブログ記事を和訳したものです。 とても分かりやすい文章で、お金がどのようにして出来たのかについて、新たな視点を与えてくれます。 誤訳等ありました…
はじめに 私が昨年の10月に書いた記事に、ある読者さん(通りすがりさん)からコメントを頂きました。 whatsmoney.hateblo.jp 私は日銀券発行の仕訳は「現金/発行銀行券」だと書いているのですが、この仕訳は間違いではないかというものです。 確かに、日銀…
「最近、AIの話題が多いよね。アルファ碁とか、自動運転とかさ」 「そうだね」 「AIがどんどん発達していったらさ、私たちはあまり働かなくても生きていけるようになっていくのかな」 「世の中にロボットの概念が登場した時も、そういうことは言われたけどね…
「銀行のキャッシュ・フロー計算書では、キャッシュ・アウトにならないものをキャッシュ・アウトにしているから、そのままでは計算が合わなくなる、という話を前回したよね」 「そうだったわね」 「どうやってツジツマを合わせているのかは、一枚の簡単な図…
「ねぇ、銀行は利息を払っても、給料を払っても、お金を貸しても、キャッシュ・アウトにならないんでしょ?」 「そうだよ」 「実際の銀行って、キャッシュ・フロー計算書とか出してるんでしょ。実際、どうなってるの?」 「そうだね、どうなってるか確認して…
「前回は、銀行が給料を払ってもキャッシュは減らないという話をしたよね」 「うん」 「今回も同じような話なんだけど、銀行がお金を貸してもキャッシュは減らないという話をしよう」 「ほう」 「まず、銀行にとってのキャッシュとは何かって言うと……」 「ベ…
「前々回、銀行にとってのキャッシュは日銀が作ったお金、つまり日銀券と日銀当座預金だという話をしたよね」 「うん」 「そして前回は、銀行が預金に対して利息を払ってもキャッシュは減らないという話をした」 「そうね。とりあえず、利息を払った瞬間には…
「前回の話で、銀行にとってのキャッシュがベースマネー、すなわち日銀が作ったお金であることは分かってもらえたよね」 「うん。現金と、日銀当座預金でしょ?」 「その通り。では、銀行にとってのキャッシュイン・キャッシュアウトについて考えよう」 「ふ…
「前回、悪質なオンラインカジノにとってのキャッシュイン・キャッシュアウトの話をしたのを覚えてる?」 「えーと…」 「悪質なオンラインカジノは、プレイヤーからの預り金を自社の資産と混同管理しているから、プレイヤーからお金を預かったら、それ自体が…
最近の記事で、顧客からの預かり資産を分別管理せずに自社の資産と混同して管理することを「ジャイアン管理」と呼んでいましたが、単に「混同管理」と呼ぶことにしました。 「ジャイアン管理」だと、言葉から意味を類推することが難しいためです。 「混同管…
「今回は、オンラインカジノの経営について考えてみよう」 「ふーん。オンラインカジノって、儲かるのかしら」 「実際のカジノもかなり儲かってそうだからね。オンラインなら経費が少なくて済むから、さらに儲けやすいかもね」 「カジノって何で儲けてるの?…
「今回は、日銀の金庫にある日銀券はお金ではないという話をしよう」 「お金じゃなかったら何なの?」 「ただの紙切れだよ」 「なんで?お金はお金でしょ」 「うーん……。まず、デパートの商品券について考えてみようか」 「ふむ」 「あるデパートを良く利用…
一橋大学の齋藤誠教授が書いた『消費増税「再延期」をするべきではない理由』という記事によると、日銀は民間銀行から当座預金によって「調達」しているとのことだが、これは本当だろうか。 直近の日銀のバランスシートをごく単純にすると以下のようになる。 …
「今回は、信用創造でお金を作ることができるのは銀行だけなのかという話をしよう」 「うーん、前にも説明してもらったかも知れないけど……信用創造ってなに?」 「簡単に言うとね、銀行がお金を貸す時に、預金通帳にただ数字を書き入れるだけでお金を作り出…
「ねぇ、100万円持ってる?」 「唐突ね。持ってたらなんだってのよ」 「僕に預けてよ」 「イヤよ」 「増やしてあげるからさぁ」 「どうやって増やすのよ」 「カジノに行って、バカラで全額賭けるんだ」 「はぁ?」 「当たれば2倍の200万円になるから、利子…
「オンラインカジノって知ってる?」 「ネット上のカジノってこと?」 「そうそう。パソコンやスマートフォンでネットにつないで、カジノのゲームが出来るんだよ」 「へぇ。本当のお金を賭けられるの?」 「そうだよ。換金できないチップで遊ぶこともできる…
「政府が国民に借りた借金は返す必要が無いという話を前にしたけど、覚えてるかな」「うーんと、どんな話だったっけ」「盗賊から村を守るために、村を囲う壁を作る話だよ」「あー、はいはい」「村長は村人から合計1000万円借りて壁を作った。この壁は村人を…
今回の記事では、色々なペーパーマネーについて考えます。ここでペーパーマネーと言っているのは、私が以前書いた「実質価値・仮想価値」という記事で「仮想価値」と呼んでいたものと同義です。すなわち、紙に何かを書いたり印刷したりして、何かを約束する…
「今日は、日銀券が発行されるのはいつなのかという話をしよう」 「ふーん。紙に諭吉さんを印刷して、裁断したら発行したってことじゃないの?」 「そうじゃないんだ。印刷しただけの日銀券は、扱いとしては紙切れの束にすぎない」 「ふーん。じゃあいつ発行…
「銀行券が日銀BSの負債に計上されているのはなぜか?」という疑問に対して、日銀のサイトでは以下のように説明されていますが、ここにはゴマカシが隠されています。 銀行券が日本銀行のバランスシートにおいて負債に計上されているのはなぜですか? 歴史的…
今回は、とあるブログ記事に書かれていた日銀のバランスシートへの疑問に対する回答です。確かに日銀のバランスシートは普通に見ると謎が多いため、よく吟味しなければ本当のところは理解しにくいものです。 日銀のバランスシートで、なぜ発行銀行券が負債と…
一橋大学の経済学者、齊藤誠教授は「日銀券は日銀が発行する預金証書である」と主張している。これは妥当な主張だろうか。齊藤教授が執筆した「なぜ、無制限の金融緩和が私たちの経済社会にとって有害なのか?」というパンフレットから引用してみよう。 日銀…