はじめに
5月23日の記事にも、酔狂人さん(id:suikyojin)から長文でコメントを頂きました。
ありがとうございます。
酔狂人さんは「ワク推側は信頼できないが、反ワク側はもっと信頼できない」と言っていて、反ワクが信頼できない理由を3つ挙げて詳しく説明されています。
順を追って見ていきましょう。
ワク推と反ワク、どちらを信頼すべきか
私の意見を率直に言うと、「ワク推側は信頼できないが、反ワク側はもっと信頼できない」というものです。
反ワクが信頼できないというのは理解できますよ。
反ワクの中には「ワクチンを打てば5Gネットワークに接続される」などと突拍子もないことを言う人がいますからね。
しかし、なにも私は反ワク側の主張を全て信頼するか、ワク推側の主張を全て信頼するか、二つに一つだなどと言っているわけではありません。
議論をシンプルにするため、トピックを限定しましょう。
ここで考えるトピックは、「ワクチンは有効で安全だ」という言説が本当かウソかです。*1
このようにトピックを限定した時、もし酔狂人さんが「ワク推側は信頼できない」と考えているのだとすれば、「ワクチンの効果と安全性は疑わしい」と思っていることになります。
そしてこのトピックに関する反ワク側の主張は、慎重な言い回しで言えば「ワクチンの効果と安全性は疑わしい」というものです。
同じ考えなのですから、このトピックに関しては酔狂人さんは反ワクの主張におおむね同意できるはずです。
自分の考えと同じことを主張している人々がいるのに「反ワクの方がより信頼できないから、とりあえずワク推の言うことを信じることにしよう」というのは不合理でしょう。
どちらを信じれば良いのか分からないからワクチンについては判断を保留しよう、というなら理解できるのですが。
陰謀はバレたら失敗する?
反ワク側がより信頼できないとした根拠は、3つほどあります。
・「謀は密なるを以てよしとする」に反する
これは「計略や陰謀は秘密にしなければ成功しない」という意味ですね。
企みを知る人間が大勢いるというのは、これに反しています。
漏洩して、失敗するリスクが高くなります。
陰謀はバレたら失敗する、それはその通りです。
しかし、今進行している事態の裏に陰謀があるとするなら、それは「漏洩しても失敗しない陰謀」なのではないでしょうか。
各国の政府機関や主要マスコミ、多数の専門家を買収*2して世界中の人間を騙そうという巨大な陰謀だとすれば、少々秘密が漏洩しても問題ないでしょう。
なにしろ政府機関や主要マスコミ、多数の専門家が味方なのですから、情報を検閲したり、陰謀論だと決めつけたり、専門家がマスコミで“正しい”情報を繰り返し流せば、大衆の多くは騙されていることに気づけないはずです。*3
「謀は密なるを以てよしとする」は大原則ですが、原則には例外がつきものです。
巨大な資金力と支配力で世界中を騙す巨大な陰謀の場合、この原則は当てはまらないでしょう。
まとめると、酔狂人さんの意見は「大きな陰謀はバレて失敗する」であり、私の意見は「巨大な陰謀は少々バレても失敗しない」です。
私は「ワクチン接種は陰謀だ」と主張しているのではないですよ。
巨大な陰謀であれば少々バレても失敗しないということがあり得る(だから疑う必要がある)と言っているのです。
リスクが高いからやるはずが無い?
・リスクとリターンのバランスや変化を軽視している
ワクチンの有効性が低いとすると、それを接種させようとするのは、極めてリスクの高い行為です。(中略)
民事の損害賠償が天文学的な額になることがあり得ます。
だから、そんなリスクの高いことはやるはずが無いということですよね。
酔狂人さんがこのように主張する時、「悪いことをすれば結局は損をすることになる」ということを、言い換えると「悪は成敗される」ということを信じていると思います。
悪が成敗されるようにするためには、正義の味方が必要ですよね。
正義の味方というのは、スーパーマンのような架空のヒーローのことではもちろんなくて、警察や裁判所などの政府組織のことです。
たしかに、正義の味方は悪を成敗するように行動しています。
もし私が人を殺して金を奪うようなことをすれば、高い確率で警察に捕まって裁判にかけられ、刑務所に入れられるでしょう。
極めてリスクが高いので、私は強盗殺人のような悪を為しません。
それと同じことが、製薬企業の行動にも言えるだろうというわけです。
しかし、各国の公衆衛生当局や主要マスコミ、多数の専門家を買収(ないし脅迫)して世界中の人間を騙そうという巨大な悪があったとしたら、そのような巨悪についても正義の味方が成敗してくれるのでしょうか。
それは分かりませんよね。
それほどの巨悪が存在するという確実な情報を私たちは持ち合わせていませんから。
しかし、もしかしたらそのような巨悪が存在していて、正義の味方はその巨悪からお金を受け取って、見て見ぬふりをしているのかも知れません。*4
正義の味方を買収できるのであれば、有効性の低いワクチンを接種させる行為のリスクはさほど高くないでしょう。
陰謀に誘われたら告発するはず?
こうした陰謀の最大の弱点は、新しく陰謀に誘おうとする時にあります。
陰謀に誘われた人にとっては、陰謀を告発するのが、一般に最もリスクが低い行為になります。
だから、陰謀は成功しないということですよね。
しかし仮に、正義の味方が巨悪からお金を受け取っている状況だとしたら、告発したところで何も起きないでしょう。
それどころか、告発したことがバレたら巨悪側から攻撃を受けることになりかねません。
私が考えるに、一介の製薬企業が巨悪から陰謀に誘われた場合、告発することは最もリスクが高い行動であるように思います。
いずれにせよ、損得を考えて行動するでしょうね。
私が経営者なら、陰謀に乗らないとしても告発はしません。
また、陰謀に誘う巨悪が自社の大株主なのであれば、従わないわけにはいかないでしょう。
告発するとしたら
仮に陰謀を告発するとして、どうやって告発すれば良いのでしょう。
警察に言えばいいでしょうか。
警察署に行って「あの製薬会社はこんな陰謀を企てている」と言ったとしても、取り合ってはくれないでしょう。
「それは厚労省に言ってくれ」と言われるでしょうね。
規制当局である厚労省は、製薬業界を規制する正義の味方ですから。
ところで、ファイザーのワクチンの治験を行った企業のある従業員が、治験での数々の不正をFDAに告発しましたが、取り合ってもらえなかった(どころか数時間後に解雇されてしまった)ことを思い出しましょう。
FDAは正義の味方としての仕事をしなかったのです。
厚労省も製薬企業と一緒になってワクチン接種を積極的に推進していますから、正義の味方としての仕事は期待できそうにありません。
では、マスコミに告発すれば良いのか。
主要メディアはワクチンに関するネガティブな情報をほとんど報道しませんから、やはり取り合ってくれないと予想されます。*5
せいぜい、一部の地方局が放映したり週刊誌に記事が載る程度でしょうね。
世間の大部分の人には響かないでしょう。
では、SNSやYouTubeなどを使って拡散すれば良いのか。
陰謀論扱いされるだけでしょうね。
自社のサイトを使って告発するのはどうか。
いくつかのファクトチェックサイトに「虚偽」と判定され、やはり陰謀論扱いされて終わりでしょう。
告発するのもなかなか難しいようです。
やはり私なら告発はしないでしょうね。
自分たちが攻撃対象になるリスクしかありません。
どちらに説明責任があるのか
・二重盲検法相当のものは反ワク側にも不可欠
これは、反ワク側にもウソをチェックする仕組みが必要だということですよね。
気持ちは分かります。
反ワクには「5Gに接続」などという話をする人がいますからね。
しかし、トピックをワクチンの効果と安全性に絞った場合、説明責任をより強く求められるのは製薬会社と反ワクのどちらでしょうか。
「ワクチンは有効で安全である」ということを、誠実に、確実に証明することが製薬会社側に強く求められるのか。
それとも、「ワクチンは有効でも安全でもない」ということを、誠実に、確実に証明することが反ワク側に強く求められるのか。
当然、説明責任を強く求められるのは製薬会社側でしょう。
安全でないかも知れないワクチンを世界中の人に接種させ、金を儲けているのは製薬会社なのですから。
もし「ワクチンは有効で安全」がウソだったら世界中の人が健康被害を受けるのですから大問題です。
「ワクチンは有効で安全」がウソか本当かが重大な問題なのであり、この点を重点的にチェックするべきなのです。
仮に製薬会社の治験に数々の不正があり、FDAも見て見ぬふりをし、内部告発があっても主要マスコミがろくに報道しないのだとすれば、外部の人間が声を上げなければその不正をチェックできません。
「ワクチンは有効でも安全でもないのではないか?」と製薬会社に疑義を突き付ける反ワクは、ワク推側のウソをチェックする仕組みの一部なのだと言えるでしょう。
もちろん私は「だから反ワクはどんなウソを言っても良いのだ」などと言っているわけではありませんよ。
しかし、「ワクチンで5Gに接続」がウソだったとしても大量の被害者が出るわけでもないでしょう。
「ウソで良かったね」で済む話です。
「ワクチンは有効で安全」がウソだった場合は「ウソで良かったね」では済みません。
大問題であり、大量の被害者が出ていることになります。
厳しくチェックするべきなのは製薬会社側(=ワク推側)がウソをついているかどうかであり、反ワク側は製薬会社や政府に疑義を突き付けてウソをチェックする立場にあります。
従って、反ワク側にワク推側と同等のウソをチェックする仕組みは必要ないと言えるでしょう。
現実には
「説明責任は製薬会社側にある」と書きましたが、それは「本来はそうあるべき」という話であって、現実にはそうなっていません。
製薬会社と政府は一緒になって「ワクチンは有効で安全」と主張していて、それを大部分の人々が受け入れてしまったという状況があるからです。
大部分の人々にとって「ワクチンは有効で安全」なのです。
この状況をひっくり返すのは大変なことで、反ワク側が「詳しく説明しろ!」と騒ぐだけでは「治験は成功してるしデータも出してる」と言われるだけで、何も起きません。
どうしても、ワクチンが有効でない証拠や危険である証拠を一生懸命集めて、積み上げる必要があるのです。*6
この意味で、反ワク側にも説明責任が課されていると言えるでしょう。
しかしこの反ワク側の説明責任は、権威側の主張を大部分の人々が信じているという状況によって強制されているのであって、本来は製薬会社側に説明責任があるのです。
もし、多くの人々にとってワクチンの効果や安全性が「分からない」状況であれば、製薬会社の「ワクチンは有効で安全だ」という主張に対して反ワクが疑義を突き付ければ、説明を求められるのは製薬会社ですよね。
そうならないように、製薬会社側は政府やマスコミを利用して「ワクチンは有効で安全」という考えを人々に植え付けたのだ、ということが可能性としては考えられるでしょう。
もちろん、ワク推側がウソをついている前提での話ですけどね。
認識してほしいこと
私が酔狂人さんを含め読者の方々に認識してほしいことは、繰り返しになりますが、可能性として以下の二つが考えられるということです。
- ワクチンは効果的で安全であり、反ワク側がウソをついている
- ワクチンは効果が低く危険であり、ワク推側が(非常に大がかりな)ウソをついている
つまり、ワク推と反ワクは「ウソつきはどっちだゲーム」をやっているのだ、ということを認識してほしいのです。
「ウソつきはどっちだゲーム」だと認識できれば、ワク推側を疑ってみる視点も持てるはずです。
そういう視点を持って情報を集めれば、考えも変わるかも知れません。
変わらないかも知れません。
ワク推側を疑う視点を持った上で事態を眺めても、やはり反ワクの言うことは一切信じられないと仰るのであれば、そのお考えは尊重したいと思います。
*1:私が「ワク推と反ワク、ウソつきはどっちだ?」を書いた時も、ここにトピックを限定して論じていたのです。
*2:あるいは洗脳しているかも知れないし、脅迫しているかも知れません。
*3:長い時間が経ってから「やっぱり陰謀だった」と判明することはあるでしょうが、その時点ではもう陰謀の目的は達成されているでしょう。
*4:裁判所や判事という正義の味方は、警察や公衆衛生当局に比べれば正しく機能していることが期待できます。しかし、この司法という正義の味方は非常に動きが遅いため、悪と断じて成敗する頃には様々なことが手遅れになっている恐れがあります。製薬企業自体は巨額の賠償責任を負うかも知れませんが、その頃には製薬企業の大株主(=巨悪)は株を売り抜けているでしょう。
*5:最近は風向きが変わりつつあるのかも知れません。