経済学を疑え!

お金とは一体何なのか?学校で教えられる経済学にウソは無いのか?真実をとことん追求するブログです。

都合のいい労働者の3つの資質

はじめに

前回は、どんなパイロット(資本家)がスライム(資本)にとって都合の良いパイロットなのか、良いパイロットの資質とは何かを考えました。

 

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今回は同じことを労働者について考えます。

なお、資本のことをスライムと言っている意味が分からない方はこちらの記事から読んでください。

 

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“良い”労働者の2つの特徴

スライム(資本)にとって、どんな労働者が都合がいいでしょうか。

“良い”労働者の特徴を考えてみましょう。

1.働き者である

スライムにとって都合のいい労働者とは、ズバリ、働き者です。

当たり前の話ですけどね。

一生懸命働く人、長時間でも働く人が良いでしょう。

少ない賃金でも働いてくれればなお良いです。

また、生活に必要なだけのお金を稼いだら後はのんびり休むような人よりも、少しでも多く稼ごうと頑張る人の方が望ましいでしょう。

2.ルールや命令を厳守する

パイロットは労働者たちを上手く操縦する必要があります。

個々の労働者がいくら働き者であっても、それぞれ好き勝手にやりたいように働くのでは収拾がつきません。

したがって、ルールがあればそれを守ること、命令をされたらそれに従うことが“良い”労働者には求められます。*1

残業をしても40時間以上はつけないというルールならそれに従うのが良い労働者ですし、絶対に納期に間に合わせろと命令されたら徹夜を繰り返してでもそれを守るのが良い労働者です。

 

上記2つの特徴をまとめると、スライムにとって最も望ましい労働者は「ロボットのように働く労働者」だということになります。

 

スライムは労働者にレベルアップして欲しい

スライムはパイロットにレベルアップを望むのと同様に、労働者にもレベルアップを望みます。

労働者には、スライムに奉仕するためのさまざまなスキルを身につけて、労働者レベル1からレベル2、レベル3へと、どんどんレベルアップしていって欲しいのです。

パイロットが主導して労働者に教育を施すこともありますが、わざわざ教育しなくても自ら勝手にレベルアップしてくれることが理想ですよね。

自己実現」「キャリアパス」といったキーワードが有効かも知れません。

 

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“良い”労働者の3つの資質

ここまでの話を踏まえて、スライムが労働者に求める資質とはどのようなものか考えてみましょう。

1.勤勉さ

パイロットの場合と同様に、労働者にも蟻のような勤勉さが求められます。

スライムへの奉仕(=労働)こそが自分の人生で為すべきことだと信じ、常にそれに勤しむ者が優れた労働者だと言えるでしょう。

スライムへの奉仕は労働だけではありません。

自己開発(レベルアップ)、効率化も同様に労働者が勤しむべきスライムへの奉仕です。

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“良い”労働者の2つの特徴と3つの資質

2.真面目な賢さ

パイロットと同様に、労働者にも頭の良さが求められます。

しかしパイロットにずる賢さが必要なのとは少し違って、労働者には優等生的な賢さが必要です。

教えられたことをすぐ覚えたり、命令されたことを的確に実行する必要がありますからね。

パイロットに求められるようなずる賢さは、あまり必要ありません。

労働者には真面目さが求められます。*2

3.従順さ

労働者には羊のような従順さが求められます。

部下が上司の命令にいちいち反発しているようでは組織として上手くお金を儲けること(スライムを大きくすること)は出来ません。

たとえ倫理に反するようなことであっても、上司の命令には従順に従うような人間が“良い”労働者です。

先ほど「労働者には真面目さが求められる」と書きましたが、それは上からの命令に対する真面目さであって、倫理や道徳に対する真面目さではあってはなりません。

顧客を騙して搾取してでも、上司の命令に従うこと(=スライムへの奉仕)を優先しなければならないということです。

また、「辞めてくれ」とか「辞めないでくれ」と頼めばそれに従ってくれるような従順さがあればより望ましいですね。

 

“良い”労働者が大量に必要とされている

資本主義社会にはたくさんのスライムがいて、そのそれぞれが多くの良い労働者(あるいはそこそこ良い労働者)を必要としています。

したがって、一定レベル以上の良い労働者が社会に大量に存在していなければ、スライム達にとっては不都合です。*3

また、人間というものはある程度の年数生きたら死んでしまいますから、次々に新しい労働者が供給される必要があります。

もちろん、一定レベル以上の“良い”労働者が、です。

そのためには、まず人間が再生産され、育てられるように計らう必要があるでしょう。*4

そして、再生産された人間を良質な労働者にするための仕組みも必要になります。

子供たちを、勤勉で、頭が良く、真面目で、従順な人間に育てるような仕組みがなければなりません。

そのような仕組みについて、皆さんにも心当たりがあるのではないでしょうか。

 

次回は、スライムにとって都合のいい消費者について考えます。

 

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*1:ルールというのはデフォルトの命令のことだと言えるでしょう。

*2:ただし、顧客や取引先からの搾取に直接かかわる場面ではずる賢さが必要ですし、組織の中で上のポストに行くほど(つまり資本家の立場に近くなるほど)ずる賢さが求められます。能動性や合理性についても末端の労働者にはあまり必要ないですが、上のポストに行くほど求められるようになります。

*3:ただし、昨今は人間の代わりにロボットやAIに労働させることが多くなり、労働者は余る傾向にあります。個々のスライムにとっては、労働者が必要になったら必要なだけ調達でき、不要になったら解放できれば問題ありません。

*4:放っておいても人間は人間を再生産しますが、動物と違ってかなりの手間をかけて生まれた子供を育てなければなりません。そのための費用に困らないようにしてあげる必要はあります。