経済学を疑え!

お金とは一体何なのか?学校で教えられる経済学にウソは無いのか?真実をとことん追求するブログです。

お金が受け渡しされるのはどんな時か

はじめに

前回の記事では、利用者が保有するお金の総量はいつ増えるのかという話をしました。

利用者でない人(経済主体)から利用者にお金が受け渡しされると(利用者が保有するお金が)増える、という当たり前の話でしたね。

今回は、お金が受け渡しされるのはどんな時なのかを考えてみましょう。

お金が渡されるのは、何かと交換に渡されるか、単にお金が渡されるかのどちらかです。

お金と交換に渡される何かは、大きく分けて2つ。

1つは財、つまりモノやサービスであり、もう1つは金融資産です。

そして、単純にお金が渡されるケースも大きく分けて2つあります。

渡す側の意思でお金を渡すケースと、受け取る側の意思でお金を取るケースです。

これらの4つをそれぞれ見ていきましょう。

 

(1)財と交換にお金が渡されるケース

財というのは、モノやサービスです。

なお、ここでは“労働”もサービスの一種として財に含めることにします。

モノやサービスと交換にお金が渡されるというのは、最も一般的なお金の渡され方ですよね。

私たちは労働を提供してお金を受け取り、お金を渡して商品を受け取ることで生活しています。

この経済活動が公衆の中で行われている限り、マネーストックやマネタリーベースは増減しません。

お金が政府から公衆に支払われた場合には、その分だけマネーストックやマネタリーベースが増加します。

政府はこれらのお金の利用者ではないからです。

 

(2)金融商品と交換にお金が渡されるケース

金融商品として代表的なものは、債務証書です。

たとえば国債社債などですね。

銀行が保有する国債を日銀が買い取ってお金を銀行に渡すと、マネタリーベースが増加します。

日銀はマネタリーベースの発行者であり、銀行は利用者だからです。

しかしこの時、マネーストックは増加しません。

日銀と銀行はともにマネーストックの発行者だからです。

また、個人(家計)や企業も債務証書を発行することができ、これを銀行に渡すことで引き換えに銀行からお金を受け取ることが出来ます。

要するに銀行からの借り入れですね。

銀行はマネーストックの発行者であり利用者ではありませんから、この時マネーストックが増加します。*1

他には株式なども金融商品です。

また、土地(の所有権)は金融商品と言わないこともありますが、ここでは金融商品に含めることにします。*2

金融商品とお金の交換が公衆の中で行われている限り、マネーストックやマネタリーベースは増減しません。

 

(3)渡す側の意思で単にお金が渡されるケース

お金が贈与される場合、一方的にお金が渡されていると言えます。

また、相続も贈与の一種ですね。

この世から消滅する経済主体から別の経済主体への贈与ですから。

他にも、政府から年金や生活保護費、補助金や給付金などが給付される場合も一方的にお金が渡されていると言えます。

政府から公衆にお金が渡される時には、マネーストックやマネタリーベースが増加します。

 

(4)受け取る側の意思で単にお金が取られるケース

政府による税金や社会保険料の徴収は、一方的にお金が取られていると言えます。

税金は公共サービスと引き換えに渡しているのだという考え方もできますが、基本的な公共サービスは税金を払わなくても受けられますよね。

また、多く税金を払った人がそれだけ多く公共サービスを受けられるわけでもないのですから、税金は一方的に取られていると考えることにしましょう。

公衆から政府にお金が渡される時、マネーストックやマネタリーベースが減少します。

他に一方的にお金を取られるのは、窃盗や恐喝などですね。

詐欺についても同様です。

お金と引き換えに渡してもらうものが“ウソ”なのですから。

また、金利の支払いも(私に言わせれば)お金が一方的に取られています。

 

今回はちょっと短いのですが、一旦ここで区切ります。

結局、お金が受け渡しされるのは①財と交換②金融資産と交換③単に渡される④単に取られるの4つのケースがあるというお話でした。

次回、お金は借金で生まれるのか?というお話をします。

 

whatsmoney.hateblo.jp

*1:預金通貨で貸しても現金通貨で貸してもマネーストックが増加することに注意してください。

*2:土地は財ではないため。