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経済学を疑え!

お金とは一体何なのか?学校で教えられる経済学にウソは無いのか?真実をとことん追求するブログです。

政府の借金はやっぱり返す必要が無い

政府が国民に借りた借金は返す必要が無いという話を前にしたけど、覚えてるかな」
「うーんと、どんな話だったっけ」
「盗賊から村を守るために、村を囲う壁を作る話だよ」
「あー、はいはい」
「村長は村人から合計1000万円借りて壁を作った。この壁は村人を盗賊から守ることで、村人の役に立っている」
「そうね」
「つまり、村長は村人のために1000万円を使ったわけで、村人は壁に守られることですでに受益してるよね。だから、本質的にはこの借金を返さなくても帳尻は合っている」
「ふーむ。村人のお金を村人のために使っただけだからねぇ」
「そして、借金を返す場合には、村人から税金を徴収して返済に充てるしかない」
「村人から税金で1000万円集めて、その1000万円を村人に返すわけね」
「その通り。±0だから、税金を集めずに借金をチャラにしても大して変わらないよね」
「うん。そう言われればそうかなと思うけど、なんか納得いかないのよね」
「なんで納得いかないんだと思う?」
「だって、前回の話では村人百人全員が10万円ずつ貸してたけど、実際にはそんな風に均等に貸すわけじゃないでしょ?」
「そうだね。今回はその点をもう少し良く考えてみよう」
「ふむ」

国民が政府にお金を貸すことの本質

「村人には金持ちも、普通の人も、あまり裕福でない人もいるよね」
「そうでしょうね」
「仮に、金持ちが20人、普通の人が30人、裕福でない人が50人いるとしよう」
「ふむふむ」
「壁を作るための1000万円は、金持ちの20人が50万円ずつ村(村長)に貸したとする」
「さすが、金持ちは太っ腹ね」
「この、村にお金を貸すという行為は、村として必要な支出を仮に負担したということだよね」
「仮に負担?」
「1000万円の費用は実際には村人みんなで負担するんだけど、金持ちの20人がいったん立て替えたわけだ。つまり、実際の負担の前に、仮に負担したということになる」
「なるほど」
「さて、実際の負担をどうするかだね」
「うん」
「もし、金持ちの20人に一人50万円を“実際に”負担してもらって、他の人は負担しなくて良い、ということで村人全員が合意したとする」
「えっ、それはあり得ないでしょ」
「あり得ないけど、もし仮にそうなったとすれば、この借金は返さずにチャラにしても同じことだよね」
「まぁ、そうね」
「実際にはどういう話になるだろう」
「やっぱり、全員が10万円ずつ負担するとか?」
「それも一つの案だね。それで合意ができれば、村人全員から税金で10万円ずつ徴収して、金持ちに借金を返すことになる」
「ふむ」
「他の案としては、金持ちには多めに負担してもらって、裕福でない人の負担は少なめにするという方法もある」
「ああ、その方がいいかもね」
「例えば、金持ちには20万円負担してもらって、普通の人は10万円、裕福でない人は6万円を負担するとかね」
「それで1000万円になる?」
「20万円×20人=400万円、10万円×30人=300万円、6万円×50人=300万円、合計で1000万円でしょ」
「確かに」
「なんにせよ、実際の負担は税金という形で集めることになる。そして、集めたお金を“仮に負担”してくれた人に返すわけだ」
「ほうほう」
「つまり、政府にお金を貸すということは、政府が国民のために使うお金を“仮に負担する”ということであり、政府に税金を払うということは、そのお金を“実際に負担する”ということだ、と言えるよね」
「うーむ、確かに」
「そうだとすると、政府の借金の返済問題は、“仮の負担”を“実際の負担”にどのように分配するかという、再分配の問題に過ぎないことになる」
「ははぁ、負担の再分配ってわけね」
「そう。日本のように、国債の大半が国内で消化されている(国民が政府に貸している)場合、政府の借金問題は、国民の間での再分配をどうするかという話でしかない」

政府の借金は減らす必要があるのか

「でもさぁ、日本の場合、政府の借金が増え続けてるんでしょ?国民が税金を払って“実際の負担”をしても、“仮の負担”を減らせてないってことだよね」
「そうだね。“仮の負担”を“実際の負担”に分配しきれず、“仮の負担”が残ってしまい、減るどころか増えているように見えるよね」
「うん」
「そもそも、この“仮の負担”って、減らしていってゼロにする必要があるのかな」
「それは、借金なんだから返していくのが当然でしょう」
「最初に言ったように、国民が政府に貸したお金は本質的には返す必要が無いんだよ」
「じゃあ、返さないでチャラにするの?」
「いや、別にチャラにはしない。個々の借金はもちろん返すんだけど、返すお金を新たな借金でまかなって(借り換えて)いれば、実質的には借金を返さずに先延ばししているのと同じことだよね」
「うーん、いくら先延ばししたとしても、いつかは返すんでしょ?」
「ずっと返さなくてもいいんじゃない?何度も言うけど、国民が政府に貸したお金は本質的には返す必要が無いんだよ」
「うーん、じゃあ、ずっと借り換えてていいとしても、借金がどんどん増えていくのはマズいんじゃない?」
「マズいと思う?」
「だって、いつか破綻しちゃうでしょ」
「ふむ。どういう状態になったら破綻したと言えるだろう」
「うーん、新たな貸し手が現れなくて、借り換えが出来なくなったら破綻でしょ」
「なるほど。そうなると思う?」
「だって、日本人がいくらお金持ちだったとしても、その金額には限りがあるんだから、借金の金額がそれを越えたら破綻するでしょ」
「確かに、そんな風に主張する人はいるね。本当にそうなのかな」
「違うの?」

政府の借金は国民の資産を超えるのか

「えーっとね、村で壁を作る話で、一つ言い忘れてたことがあるんだけど」
「なに?」
「壁を作るのに使った1000万円はどこに行くのかって話」
「んー、建設業者とか?」
「そうだね。要するに壁を作るために働いた人のところに行くんだけど、それはやっぱり村人なんだ。つまり、1000万円は村の中に落ちる」
「ふーん。そうするとどうなるの?」
「話を簡単にするために、村にはもともと1000万円しかお金が無かったとしよう」
「金持ちが全部持ってて、他の人はゼロだったってことね」
「そう。その1000万円を村長が借りて、壁を作る仕事をした人に総額1000万円を支払うわけだ」
「ふむ」
「そうすると、村人の手元にあるお金はやっぱり1000万円なんだけど、金持ちの20人はそのほかに、村に対する貸し付け債権を持っているよね」
「貸し付け債権?」
「いわば村債だね。国で言うところの、国債だよ」
「ああ、国債ね」
「そうすると、村人が持っている金融資産としては、1000万円の現金に加え、1000万円分の村債で、合計2000万円分を持っていることになる」
「ほう」
「要するに、政府がお金を借りて使うと、その分だけ国民の資産も増えるんだよ」
「なるほど……。政府の借金が増えていくと、国民の資産も増えていくってことね」
「そういうこと。だから、政府の借金が増えすぎたせいで貸せるお金が無くなる、ということは無い」
「ふーむ。まぁ、それは分かったわ。でも、貸せるお金があるからって、必ず貸すとは限らないよね」
「まぁ、確かにね」
「どうしても新たに借りることが出来なかったら、借金が返せなくなって破綻するんじゃない?」

借金返済の裏ワザ?

「そうでもないよ。日本政府の子会社にあたる日銀は、日本円を発行することが出来るからね。円を発行することで借金を返すことも可能なんだよ」
「えー、それってズルくない?」
「別にズルくはないよ。何度も言うけど……」
「政府が国民から借りた借金は、本質的には返す必要が無い、ね。それはもう分かったわよ」
「ただ、お金の量が増えるわけだから、インフレになる可能性はあるね」
「お金の価値が下がっちゃうやつね。可能性っていうか、そうなっちゃうんじゃない?」
「それがそうでもない。今、日銀が国債をかなりの量で買い取ってるんだけど」
「異次元緩和とかいうやつ?」
「そうそう、よく知ってるね。あれは実質的には日銀が円を発行することで政府の借金を返してるのと同じことなんだよ」
「へー!」
「今、インフレになってるかな」
「そんな話は聞かないわね」

「年間100兆円ぐらいのハイペースで買い取ってるんだけどね。お金を増やしたからといってすぐにインフレになるというものでもない」
「ふーん。じゃあどういう時にインフレになるの?」
「うーん、その話はまた別の機会にしようか」
「ふむ」
「結局、国民が政府に貸しているお金(国民の仮の負担)は、減らさなくても特に困ることはないってこと」
ギリシャとかも?」
ギリシャの場合は、日本とは全然違う」
「なんで?」
ギリシャの政府はお金を外国から借りてるからね。それに、ギリシャは自国で通貨を発行することも出来ない」
「そうなんだ」
「日本の場合は、国民の“仮の負担”を減らさなくても誰も困らないんだよ」
「ふーむ」
「よく『政府の巨額の借金はツケとして将来世代が支払う』なんて言う人がいるけど、もし“仮の負担”を減らさなくていいのであれば、これは嘘だということになるね」
「そうなの?」
「“実際の負担”である税金を多く払って“仮の負担”である借金を減らしていくということが、ツケを払うということだからね」
「“仮の負担”を減らさなくていいなら、将来の世代もツケを払わなくていいってことか……」
「そういうこと」